マスタリングエンジニア 原田光晴のオフィシャルサイトです。


原田光晴を良く知る音楽関係の方々に、原田作品の魅力に付いて語って頂きました。

Vol.1

DigiFiBeatSound誌編集長として、スーパーマニアックとも言える音楽知識、業界での長いキャリアとコネクションをベースに、ロックを中心にしたビート・ミュージックの歴史と系譜、魅力を深く掘り下げて紹介。近年のPC/ネットワーク/ポータブルオーディオにも対応したDigiFi.誌編集長も兼任し、その再生についての楽しみ方を提案する。原田作品については、CBSソニー時代よりいち早くその魅力に着目。グッドサウンドに出逢う手がかりとしても、マスタリングの重要性をリスナーサイドに伝えている。

音楽との出会い

物心ついた頃には、電蓄のソノシートから音楽が流れている家庭でした。初めてのレコードは西城秀樹さんシングル「バラの鎖」。親が買って来てくれたドーナツ盤がとても嬉しく、その日のうちに50回聞いた程です。

親戚のオーディオが好きなお兄さんが、JBL4312でロックやアンダーグラウンドフォークを聞いていて、その影響から小学校低学年にして浅川マキさんを知ることに。またそこで聞いたEmerson Lake & Palmer「Tarkus」、DeepPurple「Fireball」でロックに目覚めました。ちなみに「薔薇の鎖」をはじめ、これまでに買ったレコードは今でも全て所持しています。
Emerson Lake & Palmer「Tarkus」Deep Purple「Fireball」西城秀樹「薔薇の鎖」


レコード&ラジオデイズ

音楽への興味と探究心は高まるばかりで、FMエアチェックと図書館でレコードを借りることが日課となりました。お年玉の使い道はカセットテープの購入。友達の家で、お兄さんのレコードを貸りテープに録音させてもらっていましたが、レコード同様、このカセットも今でも保存しています。

FENより2週間遅れでしたが、湯川れい子さんの全米Top40(ラジオ関東)では、最新の音楽情報をキャッチすることができました。大貫憲章さんの全英TOP20(ラジオ日本)とともに、当時ラジオは大切な音楽ソースかつ情報源でした。

高校時代にはパンク/ヘビーメタルバンドでボーカルを担当。またレコード収集に没頭したのもこの頃からでした。プログレ、パンク、ニュー・ウェイブ系では代々木のイースタンワークス、UKインディーズを得意としたUKエディソンなど、新宿界隈でお目当てのレコードを探しに足しげく通ったものです。

音楽の道へ

20歳のころCity Roadで編集のアルバイトをしていましたが、そこではライブハウス担当に。スケジュール表を手書きで製作するのですが、アンダーグラウンドを含め、そこで知った様々なアーティストの名前から、音源も積極的にチェックしました。

編集部にはレコード会社各社から新譜見本が送られてくるのですが、これらのサンプル盤を通して多様な音楽に触れることができました。特にマニアックなものは「武田枠」として回ってくるようになり、中には坂田明さんなど貴重な音源も・・・(笑)。

映画・オーディオ評論家として著名な岡俊雄さんが当時ステレオサウンド誌にコーナーを持たれてましたが、ドイツの作曲家Kurt Julian WeillやSheffieldLabのカッティング/マスタリングエンジニアDoug Saxに関する記事に興味があり、2年間のCity Road編集の経験からもステレオサウンド社に入社。入社後は偶然、岡俊雄さんの担当となりました。

ステレオサウンド誌からHiVi誌、ホームシアター誌の編集員に。一時ステレオサウンド社を離れましたがその後再度入社。一年間営業を担当の後、BeatSound誌の編集に加わりました。2006年の第7号より同誌編集長、現在では昨今のPC/ネットワークオーディオをフィーチャーし創刊されたDigi Fi.誌の編集長を兼任し、ビートサウンドの魅力と、それを楽しむためのノウハウを紹介しています。


「グッドサウンド」との出会い

初めて耳にした原田さんがかかわられた作品は、レコードではThree Blind Mice作品群やCBSソニーのmaster soundシリーズとして発売されたEarth Wind and Fireの重量板が最初でしょうか。ディスクユニオン、新宿西口のトガワレコードなど中古レコード店で入手したのではないかと思います。

時代はレコードからCDへと移り変わっていましたが、当時、自宅で良く聞いていたCDは竹内まりやさんや山下達郎さん、ribbon/永作博美さん、渡辺満里奈さん、・・・。自分にとってとても心地の良い音から、知らず知らずのうちに選んでいたのですが、ふとマスタリングエンジニアの欄を見ると、実はそれら全てが原田さんの手によるものでした。

レコードではあまり触れられなかったアルバム制作スタッフのクレジットがCDでは増えたこともあり、携わったエンジニアの情報が得られるようになりました。Bernie Grundman、Doug Sax、Bob Ludwig、Ted Jensen、日本では原田さんはもちろん、ビクターの小鐵徹さんや日本コロムビアの保坂弘幸さん(現一口坂スタジオ・H2 Mastering)など、グッドサウンドとマスタリングエンジニアの相関関係を強く意識するようになったのもこの頃です。

ステレオサウンド社で営業を担当している時期に、音楽制作のプロフェッショナルを紹介する「音の職人」というプロサウンド誌のコーナー(ProSound誌2000年4月号)で声をかけてもらい、ON AIR麻布スタジオを訪問。原田さんのマスタリングや音楽に対するフィロソフィーを直接伺うことができました。


原田作品の特徴と魅力

音質的な部分では、サウンドバランスの上での力強く抜けのある低音がなによりの魅力です。音楽全体として見ると、初めて作品を聞いた時に「あっ、いいな」と感じることはもちろん、同じ曲を何度聞いても飽きない、いつも新しい発見があることだと思います。それは自分一人にとってだけではなく、年代、世代を越えた普遍性というものが、一貫して原田作品の中にはあるのではないでしょうか。

原田さんと原田作品に巡り会っていなければ、BeatSound誌の企画はありませんでした。もしかすると、今この仕事をしていなかったのではとも思います。